こまこまぶろぐ

妻一人、息子二人と暮らす父親の奮闘記

#197 【読書感想】世界は贈与でできている

世界は贈与でできている 資本主義の「すきま」を埋める倫理学 (NewsPicksパブリッシング)

読書は最高にコスパがイイ自己投資。

どうもこまこまです。

 

世界は贈与でできている 資本主義の「すきま」を埋める倫理学 (NewsPicksパブリッシング)を読了したので記事を投稿します。

 

本書では「僕らが必要としているがお金では買えないもの及びその移動を贈与」と定義されています。

我々の資本主義社会では商品やサービスとお金を等価交換して成り立っている社会です。

お金は「信用」はあれど人間関係に「信頼」を築くものではありません。

人はひとりでは生きていけないし歴史的には他者とつながることで生き抜いてきました。

他者との信頼関係を構築することは一朝一夕にはいかず長い時間が必要となります。

そこには相性があるし素養があり、誠実さや真面目さ、清潔感や粘り強い努力などが関係してきます。

自分自身の印象を他者がどう感じるかは自分でコントロールできることではありません。

なので日頃から自分自身を俯瞰的にみて内省し続けていく心掛けが大事なことです。

 

私は「贈与」とういうものと「感謝」とが同一なものと考えました。

私が仕事のやりがいや働きがいを感じるのは他者からの「感謝」を受け取ったときです。

私は公務員なので成果報酬といった概念がほとんどありません。

公務員は住民、または社会への奉仕者なので。

個人的には道路や橋、トンネルなど公共的インフラ整備に携わっているので、大きな構造物が完成したときに味わえる達成感がやりがいにつながっていました。

しかし社会インフラも高齢化が進み老朽化する公共物をメンテナンスしていくことがメインになりつつあります。

それなりにやりがいはあるのですが時代の変遷から構造物が完成したときに達成感を味わう機会は少なくなってきました。

私たちインフラ整備に関与してきた技術者からすると少し寂しい感じです。

また、道路が完成したりして地域住民から「ありがとう」と感謝の言葉がやりがいと感じていました。

しかし、最近は住民から感謝の言葉をかけてもらうことはほとんどなくなりました。

ほとんどの住民は税金を納めているので「やってもらって当たり前」という考え方が定着しています。

社会インフラという商品を税金というお金で交換してるので感謝という気持ちは湧いてきません。

資本主義社会は優れたシステムですが、お金というツールが人間関係の中心軸になったため他に大切にすべきことが疎かになってしまいがちです。

社会の潮流は、信用や信頼を基軸としたクラウドファンディングや共感する人どうしがつながるオンラインサロンが当たり前になりつつあります。

合理性や効率性を追い求める経済第一主義な思想とは別に自分と価値観を共有するコミュニティーに価値がでてきています。

一方で天涯孤独を決め込み孤立化していく自由人も多くなってます。

この日本社会ではほぼほぼ飢えることなく自由な選択をして生きていくことが可能な国です。

選択肢を多く持つためにも学び続けていくことが肝要なことです。

以上こまこまでした。

 

#196 【読書感想】リビング・シフト

リビング・シフト 面白法人カヤックが考える未来

読書は最高にコスパがイイ自己投資。

どうもこまこまです。

 

リビング・シフト 面白法人カヤックが考える未来を読了したので記事を投稿します。

 

新型コロナウィリスの影響から東京一極集中から地方分散社会を促進するため地方への移住やワーケーション、多拠点生活が注目されています。

今までも国家首都機能のリスク分散の観点から幾度も東京一極集中を緩和することが提言されてきましたが遅々として進みませんでした。が新型コロナにより強制的に都市の過密化に対してレッドカードがたたきつけられました。

 

一方で働き方の変容も東京から地方への流れを促進しています。

テクノロジーが進化しスマホやパソコンがあれば住む場所を問わない働き方をする若者が多くなってきてます。

立っていることがやっとの超満員電車で1~2時間かけて職場に通勤することにどれだけの価値があるか個人も企業も見直しています。

 大学ではオンラインの授業が一般化しキャンパスの価値が問われ、企業の一部ではリモートワークにより在宅勤務が一般化するなか職場の価値が問われています。

私たちは歴史的に見たときに間違いなく大きな時代の変換点にいます。

本書は新型コロナで様々な価値観にリセットがかかる前に出版されたものですが自然環境が豊かな地方で働くことを提唱しています。

 

個人的にも私自身が定期異動で職場が変わり人生で初めて1時間半の自動車通勤を余儀なくされました。地方の田舎なので電車通勤も選択できませんが毎日の往復3時間の通勤時間は身体的にかなり負担となっていました。

そこで職場まで歩いて10分の単身赴任生活をはじめたところ自分の自由時間が多く生まれて快適でした。

諸般の事情で単身赴任生活は終わりましたが、自分の生き方は選択できるし私自身が「これからの生き方」をじっくり考えることができました。

一昔前に比べると職場での働き方に関わる価値観も変わってきていることを体感しています。

ワークライフバランスという言葉が定着し時間外労働もかなり制約され時差出勤や育児休暇、積極的な年休取得も当たり前になってきてます。

人生において相対的に仕事していない時間が多くなってきました。

個人的には家族と過ごす時間や読書の時間が多くて充実した毎日が自分の幸福感をあげていることを日々実感しています。

 

これからの生き方で大事な三つのコンセプトとして①多様な価値観、②持続可能なこと、③自己中心的他者貢献と思っています。

この辺りは北野唯我さんが書いたこれからの生き方。 自分はこのままでいいのか? 問い直すときに読む本を読んだのでそっちで読書感想を書きます。

以上こまこまでした。 

リビング・シフト 面白法人カヤックが考える未来

リビング・シフト 面白法人カヤックが考える未来

  • 作者:柳澤 大輔
  • 発売日: 2020/03/18
  • メディア: 単行本
 

 

#195 【読書感想】ゆっくり、いそげ

ゆっくり、いそげ ~カフェからはじめる人を手段化しない経済~

本を読むことで学び日々成長したい。

どうもこまこまです。

 

ゆっくり、いそげ ~カフェからはじめる人を手段化しない経済~を読了したので記事投稿します。

 

本書は行き過ぎた資本主義経済社会から脱却し新しい社会の在り方を提示する良書です。

デジタル化の進化とともに人間が生み出した貨幣価値の在り様が原点回帰しようとしてると感じる。個人的にはキャッシュレス化でリアルなお金はほとんど扱うことがなくなりました。

新型コロナの影響でクラウドファンディングがいつの間にか市民権を得て信用が金銭価値を代替するものであることは老若男女問わず認識するものに。

国家の品格 (新潮新書)藤原正彦さんも言っていましたが、「たかが経済」です。

人間が生きるうえで大切なものはお金ではありません。

確かにお金がないと選択肢が少なくなるし十分な生活を担保できません。

ただ人生の目的がお金になってる人は本当の幸せを感じにくいのではないしょうか。

 

株式市場の株価の上げ下げに一喜一憂したり、自分のお金と勘違いしたどこかの財務大臣がコロナ禍において借金してお金をバラ撒く。

さらに、下落した株価を支えるために中央銀行がお金を刷り大企業の株を買う。

また国、地方と合わせてすでに1000兆円超の借金漬け状態なのにお金バラ撒き政策のため国債発行を連発する。

どれもこれも違和感がありお金の交換が礎になってる資本主義経済の限界を露呈しています。

人の根源的な幸せはモノにはありません。なのに現代はモノであふれかえり過剰に便利さを追求したモノ、サービスに埋没した毎日はなんか疲れてしまいます。

著者の影山さんは相手からテイクすることを前提とした「利用し合う」人間関係ではなく「支援し合う」人間関係を提示しています。

「支援し合う」という社会は相手に「贈る」という姿勢と行動で成り立つ社会。

利用価値を中心とした現代の日本人は、社会から孤立しやすくなってます。

日常には家庭と職場の往復とコンビニやスーパーに立ち寄るだけで視界にはテレビやスマホの画面が漫然と飛び込んできます。

便利になりすぎて自分一人だけで生きることが容易くなってきています。

地域のコミュニティーとは距離をおき職場でも周囲の人とは最低限の会話をするだけ。

家庭を持っても利己的な姿勢や行動が中心軸にあり他者との関わりが疎かになってしまいます。お店ではお金を払ってやるお客様意識が横行し、役所では税金を払ってやってる納税者意識が顕在化します。

自分一人だけでは生きられないことは分かってて災害時ボランティアや献血、募金といった行動で社会貢献したいと思っている人もたくさんいます。

便利さを追求した結果、何か生きづらい社会の中ですが私たちは「どう生きるか?」

意思決定する権利は持っています。

人生はいまの連続でしかありません。日常が積みあがったところにしかありません。

毎日は習慣的な行動で時間が経過しているし、自分の時間の使い道は自分が意思決定することができます。

以上こまこまでした。

ゆっくり、いそげ ~カフェからはじめる人を手段化しない経済~

ゆっくり、いそげ ~カフェからはじめる人を手段化しない経済~

  • 作者:影山知明
  • 発売日: 2015/03/21
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

#194 【読書感想】マーケット感覚を身につけよう

マーケット感覚を身につけよう---「これから何が売れるのか?」わかる人になる5つの方法

本読んで学び日々成長すると10年後に複利で大きな差がでますよ。

どうもこまこまです。

 

マーケット感覚を身につけよう---「これから何が売れるのか?」わかる人になる5つの方法 を読了したので記事投稿します。

 

市場価値は不便さやわがまま、欲望から生まれる。

美味しいものを食べたいと欲するからコーラが売れるし、痩せたいと思うからダイエット本が売れる。

一方で市場価値は人が作り上げることができるもの。

マスメディアがタピオカが健康で美味しいといえばどこのお店もメニューにタピオカが並ぶし、バナナダイエットが痩せるといえばスーパーの棚からバナナが消える。

 

本書では、本当の価値はどこにあるか「価値を認識する能力」をマーケット感覚という。

自分の価値は仕事という側面では職場の上司から評価される。

一方で、いまはインターネット上で個人が発信できるので世界中の人からネット上で評価されるとも言える時代。

組織内でしか通用しない社内政治力で得た肩書や役職などは一般的な市場では何の意味もなさない。(それなりの有名な大企業だと別かも…)

転職時の面談で「あなたは何ができますか?」と問われて「部長ができます。」という話は有名な話です。

 

本書に書かれていた価値の創造の話は興味深い。

春、夏に甲子園で行われる高校野球は様々な価値を生み出していると著者ちきりんさんは述べる。

確かに全ての甲子園の試合はテレビで放映され翌朝の新聞には結果が大きく報道される。

これがテニスやバレーでは考えられないことで、さらに同じ野球でもプロ野球とも違う価値観があることは明々白々である。

高校野球児の爽やかな言動やヘッドスライディングなど全力プレー、試合に負けた時に高校生が流す涙etc。

ちきりんさん曰く、「高校野球」というコンテンツがテレビ放映権、高校野球関係者が宿泊するホテル、移動手段で使う交通費、関連グッズの製造販売など、さまざまな経済価値を生み出す。

 

世界遺産に登録された観光地や大河ドラマの題材になった武将の出身地は何も変わってないけど付加価値がついたため人が興味関心を持ち訪れる。

これは分かりやすい価値で誰でも気づくものだが、本書で述べられているマーケット感覚に「潜在的な価値に気づく能力」とある。

 

潜在的な価値を掘り下げて考えてみよう。

巷では「鬼滅の刃」が大ヒットしている。

自分自身でその価値は何か探るためAmazonプライムでアニメを見たらヒット要因は3点あるようだ。

  1. 感情を動かす物語(ストーリー)が秀逸
  2. 実写のもつ動画技術からの転用が良い
  3. キャラ設定の巧みさ

 

そもそもアニメやドラマが放つ物語(ストーリー)は、どうして人々の感情を動かす効果があるのか?

一言でいうと没入感ではないか。

 

一方で、ミニマリストが注目されるほど物が溢れて全てのモノ、コトがコモディティー化したので、何かが完成に至るまでのプロセスやストーリーに価値がでてきている。

アイドルのサバイバルオーディション番組から誕生したNiziUや一人のイケメン男性を女子達が奪い合う恋愛サバイバル番組バチェラーが人気。

個性豊かなキャラクター達の生き様(ストーリー)や人間模様への没入感こそ人気となってる要因ではないだろうか。

 

以上こまこまでした。

 

 

#193 信用が貨幣価値と同一化する時代

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髪の毛が少ないとシャワーに3分もかからなくて楽ちんです。

どうもこまこまです。

 

いまの日本はほぼほぼ衣食住は満たされて防犯や教育、環境、交通基盤などが十分に整備されています。

若い世代は自分の部屋にテレビではなくスマホ1台あればSNSで友達と世界のみんなと容易につながる。10年前の環境とは全く違う。

なので家庭においてリビングでは家族各々が別々のデバイスで各自が好きな世界観を堪能している。テレビが視聴されCMで流布される商品が大量に生産され大量消費される。

スポンサー料が欲しいテレビ制作側はコンテンツ作成にスポンサーの意向に反するものは表現できない。

また、昭和から続く古い体質であるため権力者への忖度が横行しやすい。

つまりテレビの中で芸人やタレント、俳優らは面白くなくても笑顔をつくるし、食レポでだされたものは美味しいと言うしかない。

国民全員が世界に発信できる時代において、テレビの中の芸能人は自分の信用をどんどん失っていく。

 

信用とお金の価値は同一なもの。キャッシュレス化が進み現金をほとんど見なくなった一方で信用は定量的に測りにくいし見えづらい。

だからこそギブファーストの精神で信用残高を積み増していくことが肝要。

打算的な自分の向こう側に無意識のうちにギブする思考癖がつくような、そんな人間になりたい。

以上こまこまでした。

#192【読書感想】世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?

サラダには岩塩とオリーブオイルが一番かなと思ってます。

どうもこまこまです。

世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?~経営における「アート」と「サイエンス」~ (光文社新書)

世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?~経営における「アート」と「サイエンス」~ (光文社新書)を読了したので記事投稿します。

 

この20年で世界の中で日本企業が負け続けた原因の一端はイノベーションを生み出せなかったから。

組織が分業化しシステム化していくと自分と関係のある数字しか追わなくなる。

人間は遺伝子的にも環境的にも他者との繋がりのなかで生きていく動物。

論理的かつ理性的に考えられた商品やサービスは既存のマーケットや仕組みから脱却することができない。論理的思考は他人と同じような答えだけ生み出されてレッドオーシャンの中で戦うことになる。

 

日本の教育界では他人と比較しやすいような、尺度をあてやすい偏差値教育が横行している。偏差値の世界では論理的な思考力を鍛錬するプログラムに重点が置かれているので他人と同じ価値観の中で努力する。

 

私も偏差値教育の成れの果てに育成されたひとり。

自分は何を学びたいのか全く分からないままに行きたい大学は偏差値から導かれた。

自分はいったい何のために生きてるのか分からなくなって欧州一人旅などしてみたが何も見つからない。そもそも何も自分の中に指標となる軸ができていないのに自分探しをしてみても見つかる訳がない。

 

昔から周りの人とは上手に合わせることができるタイプで学校で孤立することはなかったものの孤独な時間が好きでした。ひとりで頭の中の仮想空間で野球の試合をしていたり。

高校を卒業すると周囲の友人もバラバラに大学へ進学した。今では信じられないがスマホもないので方々の友人へ電話して集まっては飲み会するようなことを主体的にやっていた。

社会人になると職場の飲み会やレクレーションにも参加しつつ周囲の人間関係をそれなりに大事にしながら過ごしてきた。

結婚して子供も生まれると自分の時間もなく子育てに没頭する毎日。家族との時間を大切にしながら仕事にも精を出す。

いつの間にか子供たちも大きくなり自分の時間も持てるようになった。

今だからこそ自分を見つめ直す必要があると感じる毎日。

 

今49歳になりもうすぐ50歳。不惑から天命を知るはずの50歳になる。

もっと学び続けて教養があり知性や品位が感じられるような大人になりたい。

 

それにしても美意識を鍛えるためには絵画鑑賞が必要かなと思いながら、とりあえず自宅で映画やアニメ鑑賞を積極的にやってみる。

 

 以上こまこまでした。